バドミントンは緩急によるリズムの崩し合い
そのスポーツをシンプルに言うと何ですか?と聞くと、その道を極めている人の答えは実にシンプルで本質を良く捉えています。例えば有名なスキー指導者はこのように答えています。
スキーというスポーツは落下の円運動です。
また、元全日本ボディビルチャンピオンは筋トレについてこのように答えています。
筋トレとは筋肉の最大収縮と最大ストレッチさ。
ではバドミントンの本質は何なのか?と聞かれた場合、きっと達人ならこう答えるのではないでしょうか。
バドミントンは緩急によるリズムの崩し合いよ。
緩急によるチェンジオブペース
野球のピッチャーで最速140kmしか投げられなくても、緩急を使ってタイミングをずらして140kmのストレートを投げるとバッターにとっては非常に速く感じます。
バドミントンは重さ5gの軽いシャトルを扱うスポーツです。従ってシャトルの速度を変える緩急が重要となります。ペースアップでもペースダウンでも構いません。チェンジオブペースで相手のリズムを崩しましょう。
以下の参考動画で分かる通りチェンジオブペースはラリー中に緩を入れることが重要となりますが、緩のショットは読まれると相手に前へ詰められて逆襲されます。緩を打つ際には色々な工夫をします。
緩の工夫1:打点を前で作る
シャトルに足が追いつかないと打点が後ろになって緩の球が浮いてしまい、相手に前へ詰める時間的余裕を与えてします。
シャトルの後ろにしっかり入りこんで、打点を前にすることで対空時間が短い攻めの緩を打つことが出来ます。
緩の工夫2:ラケットを立てて入る
ネット前や肩より低いシャトルに対してもラケットを立てて緩の球を打ちます。ラケットを立てることで相手に強いショットが来ると先入観を与えることが出来ます。
低いシャトルに対してラケットを下から出した場合、相手の攻撃意識が高くなるため緩を入れても前に詰めて逆襲されやすくなります。
緩の工夫3:面を切るように打つ
面を切るように打つことでスイングスピードを落とすことなく緩の球を打つことが出来ます。また、スイングと違う方向にシャトルが飛ぶためコースを読まれにくい利点もあります。
シャトルに対して利き腕側に面を切るカット、利き腕とは逆側に面を切るリバースカットといった野球で言う変化球のように球種を増やすことで相手の予測を外します。
緩の工夫4:ドリブンクリアとアタックロブ
相手が前をうかがって緩の球を狙っている場合は、ドリブンクリアやアタックロブといった攻撃的に上げるショットで体を煽ります。
シャトルを上げることで攻守交代してしまう可能性がありますが、相手に後ろもあると意識させることで次に緩の球を入れやすくなります。
緩の工夫5:高低差を使う
緩急を使えない場合は高低差を使います。野球でピッチャーがどんなに豪速球を投げたとしても同じコースに投げ続けてはバッターに打たれます。
スマッシュで攻撃する時もロブで上げる時も同じ高さにシャトルを打つのではなく、高さに変化をつけて相手に同じリズムで打たせないように配球します。